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パソコンでデータをやりとりする時、あるいは通信を行う時、「キロ」「メガ」「ギガ」などという言葉をよく耳にする事と思います。皆さんも「数字が多いと、古いパソコンでは入らない」という事は漠然と感じている事と思います。
これらは、いったい何を意味しているのでしょうか?
ということで、今回は前回に引き続き「情報の量」についてご説明します。なお主要な単語はフリー百科事典のwikipedia(日本語版)にリンクしました。
前回、「情報の量」の考え方について、下の事をお伝えしました。
この内容は下のページで公開していますので、見逃した方はぜひ参考にしてください。
https://www.incinc.jp/imm/imm20101211.html
前回「32通りで5ビット」というお話をしましたが、32という数は2の5乗です。
このように数や状態を表現する場合「その数が2の何乗に相当するか」により必要なビットの数が決まってきます。
デジカメで撮った写真は、どのようにサイズが決まってくるのでしょうか。また、画像のデータはなんとなく大きいイメージがありますが、文字に比べてどのくらい違いがあるでしょうか。
そこで、どのように画像が表されるかを順を追って考えてみましょう。
まずテレビについて、皆さんご存知かと思いますが、表面を拡大すると光の三原色である赤、青、緑の点が見えます。これら各点の明るさを調節することで様々な色を作り出しています。
デジカメで写真を撮る場合は逆の事をします。
つまり、レンズで集めた光を画素(がそ)と呼ばれる細かな区画に分け、この区画ごとに3原色の強さを記録します。
一般的には、赤青緑の各色についてそれぞれ256段階で記録します。256は2の8乗ですので、8ビット=1バイト分の情報の量です。さらに赤青緑の3色分があるので、1画素あたり3バイトの情報の量となります。
この画素の数はデジカメの性能を表現する数字の一つとして知られていて、この数字が多ければ多いほど、細かな写真を撮ることができます。たとえば800万画素のデジカメでは、1枚撮るたびに3バイト×800万=2400万バイトもの情報を得られることになります。
これがどの程度の情報の量なのか、文章と比較してみましょう。
前回、日本語の場合で1文字が2バイトと説明しました。ですので2400万バイトは1200万字となり、400字詰め原稿用紙で3万枚に相当します。
「原稿用紙3万枚」と言ってもまだピンと来ないので、文庫本で換算しましょう。通常サイズの文庫本の場合、1ページ約600字、1冊は約300ページとなっています。
換算すると「写真1枚の情報の量は文庫本約67冊程度の文字の量に相当する」ということになります。
実際には、画像の質を落として荒くするなどの方法で、元の画像の何分の1かのサイズで保存されますが、それでも、画像の情報量は文章に比べて、「桁違い」に多いのがお分かりいただけるかと思います。
このように画像のサイズが大きいことが、メールを通じてやりとりする事が難しくなっている理由のひとつです。
なお、このように情報の量を減らすことを「圧縮」と呼びますが、詳しくはまた別の機会にご説明します。
上で「2400万バイト」と書きましたが、通常はこのような表現は用いません。「24MB(メガバイト)」という言い方が一般的です。
長さの「km」、重さの「kg」、カロリーの「kCal」と同様、「1000」のことを英字の「k」を用いて「キロ」と呼びます。「1000バイト=1kバイト(KB)」です。
画像の例のように、キロでは桁が不足してしまうため、さらに以下のように単位が決められています。
上記の「キロ、メガ、ギガ、テラ」等は正式には「SI接頭辞」と呼びます。
なお2の10乗である1024が1000に近く、2進数だとビットを表すのに都合が良いため、特にハードディスクやCDなどにおいては、1024バイトを1kバイトと呼ぶ場合があります。メガ等についても同様です。
【参考】
SI接頭辞 - Wikipedia
次回は、CDや音楽を題材にデータの量の話の続きをしたいと思います。
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